高校生、月波貴一は仕事人間で料理をしない姉の真貴と二人暮らし。マンションの隣人、佳代ばあちゃんに幼い頃から料理を教わり、姉の紹介で無農薬野菜やハーブを栽培、販売する団体コミュニオンでアルバイト。ある夜、家出して佳代を訪ねてきた孫娘、森宮朱理に出会った翌日、コミュニオンの柵を乗り越えて入ろうとする妙な人物フィオン・リーリウムに遭遇。外国にあるコミュニオン本部からやって来た金髪の美少女だ。日本語の言葉遣いや所作は古風で、日本文化に憧れている。銭湯の長湯でのぼせ、ゲームセンターに興奮、更に貴一の料理が食べたいと言う。翌夕、朱理と真貴も加わった楽しい晩餐会のはずが、コミュニオンの野菜を使った料理を受け付けられず朱理が豹変し襲いかかる。朱理がつけた傷口は墨色に染まる。フィオンに取り押さえられた朱理と孫娘に首を絞められた佳代はコミュニオンに運ばれ施療を受ける。コミュニオン日本支部の初代管理人、司磨子は、朱理はリリノンの影響を受けていると言う。リリノンとは工場排水が河川や自然を汚染する如く人間の排出した傷みの感情、生命の澱や淀みが溜まって生じる現象。フィオンは本国より派遣された、リリノンを数える（昇華させる）者、リリノン・カウンターである。彼女はリリノン・ポイント（出現地点）に赴き、『存在』（精霊）を歪めて鎧とし纏うリリノンの核と対峙する！